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甲斐 倫明; 森内 茂; 大久保 收二
JAERI-M 85-012, 42 Pages, 1985/02
SPEEDIのソースターム計算に用いる希ガスまたはヨウ素の核種組成は線量評価上有用な情報である。原子炉事故は一般に事故に至る直前において炉出力の変化を伴うことが多い。希ガスおよびヨウ素の核種の中には半減期が数日以下の短いものが多く、これらの核種の炉内インベントリーは原子炉停止前の運転履歴に強く依存する。したがって、定格運転から原子炉停止に至ると仮定した場合の核種組成率は、原子炉停止前の運転履歴によって核種の半減期の比較的長いものでは過小評価となる。この程度は、炉出力低下率およびその期間、または原子炉停止からの時間によって幾分異なる。本報告では、線量評価の観点から希ガスの体外被曝とヨウ素の甲状腺被曝に原子炉停止前の運転履歴が及ぼす影響について述べた。
甲斐 倫明
保健物理, 18(1), p.3 - 10, 1983/00
現在、放射性物質の体内被曝線量評価に用いている代謝データは欧米における標準人の値である。海産物などのヨウ素含有量の多い食品を摂取する習慣のある日本人のヨウ素代謝は欧米人とは異なる。長半減期核種であるIによる被曝評価に際して重要となる日本人の甲状腺における放射性ヨウ素の生物学的半減期について考察した。日本人と欧米人のヨウ素代謝の相違は、安定ヨウ素摂取量の違いによって甲状腺に移行し有機化したヨウ素がホルモンの生成に関与せずに、無機ヨウ素の形で血中に放出されるかどうかにある。これを5コンパートメントモデルによって模擬し、生物学的半減期について分析した。本研究の試算で得られた日本人および欧米人の生物学的半減期は、それぞれ39日、130日であり、実測値として知られているデータとよく一致する。本研究の結果は日本人の標準人(Reference Man)の値を考える上に有用な情報を提供するものである。
谷村 嘉彦; 西野 翔; 吉富 寛; 高橋 聖
no journal, ,
原子力事故後の初期段階の高線量率環境下において、作業者及び公衆の甲状腺等価線量評価を目的として、スペクトロメータと遮蔽を組み合わせたエネルギー分析型甲状腺ヨウ素線量モニタシステムを開発している。エネルギー分解能や検出効率(有感体積)を考慮して、LaBr(Ce)シンチレーション検出器及びCdZnTe半導体検出器をスペクトロメータとして選定した。遮蔽体については、材質及び厚さを計算と実測結果に基づいて最適化した。また、点線源と簡易頸部ファントムを用いたモニタシステムの新しい校正法を開発した。本報告では、試作機の特性評価結果について報告する。
谷村 嘉彦; 西野 翔; 吉富 寛; 高橋 聖
no journal, ,
日本原子力研究開発機構では、原子力施設での事故等の高バックグラウンド線量率下において、公衆及び作業者の甲状腺の内部被ばく線量を測定するために、線スペクトロメータを用いたエネルギー分析型甲状腺放射性ヨウ素モニタを開発している。周辺遮へい体と検出器からなるモニタを製作し、被検者の甲状腺に蓄積された放射性ヨウ素放射能の測定手法を開発した。本発表では、完成したモニタの概要とその使用方法、高線量率下における測定性能、開発した放射性ヨウ素測定方法等について報告する。